堀井さん「函館駅百年物語」出版

update 2003/10/11 11:04

 元函館駅長の堀井利雄さん(79)=函館市栄町=が、函館駅の歴史をエッセーで振り返る「函館駅百年物語」(幻洋社)を出版した。函館線が開業してから100年以上たち、6月には新駅舎が完成した。38年の国鉄マン生活のうち、23年間を函館駅で勤務した。堀井さんは「まとめてみて、函館駅は北海道の玄関口として変化の大きい駅だと、改めて実感しました」と、感慨を深めている。

 堀井さんは、ルネサンス様式の3代目駅舎が焼失して2年後の1940(昭和15)年に貨物の連結手として函館駅に採用された。まだ仮駅舎で、行商の人たちがストーブで魚やスルメを焼く待合室には、魚のにおいが漂っていた。連絡船が爆撃を受けた第2次世界大戦、戦後の混乱、洞爺丸台風の悲劇と、さまざまな物語が函館駅を通り過ぎた。堀井さんは函館駅とともに歩み、77年から2年2カ月、52代目の駅長を務め、当時の国鉄を退職した。

 詩誌「だいある」を主宰して63号まで続けた実績もある。今年3月から、過去に新聞などに発表した文章に加筆、歴史を掘り起こしながら新たに原稿を書き足して1冊にまとめた。「ただ、歴史を振り返るのではなく、駅の内部にいて見聞きしたことを、主観や感慨を交えて描きたかった」と堀井さん。進駐軍だけが利用した幻の0番ホーム、関釜航路から青函連絡船、さらに海上ホテルに転用され、最後は中央ふ頭の埋め立て地に沈んだ景福丸の運命など、関係者でなければ分からない逸話を1冊にまとめている。

 B6判97ページ。定価1365円(本体1300円)。市内の各書店で販売している。問い合わせは幻洋社TEL51・0148。(佐々木 亨)

提供 - 函館新聞社



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