公明党票めぐり各陣営が激しい争奪戦

update 2003/10/9 11:08

 10日解散、11月9日投開票が確実視される次期衆院選で、道8区では当落のキャスチングボートを握るとみられる公明党の票をめぐり、各陣営が激しい争奪戦を繰り広げている。共産党を除く各陣営が支援を求めているものの、公明党函館総支部は「機関決定には至っていない」と態度を保留。現時点で地元公明票の流れを読むのは困難な状況で、各陣営の争奪戦は今後さらにしのぎを削りそうだ。

 8区管内の公明票は函館市内だけで約1万5000票、町村部を含めると3万票以上はあるとされている。

 公明党は前回(2000年)衆院選では、表向き「自主投票」としたものの、自民と連立政権を組む関係上、実質的に佐藤孝行氏(自民党)を支持。しかし、中央・道本部と地元党関係者の温度差が影響してか、公明・創価学会の佐藤支援の輪は広がりを欠き、同氏落選の一因ともなった。

 前回佐藤氏を抑えて当選した鉢呂吉雄氏(民主党)の関係者は「函館市内を中心に1万5000票程度は鉢呂氏に流れた」とみる。同党から次期衆院選に出馬する金田誠一氏の陣営も今回は、さまざまな手法で公明党に支援を打診しているが、「『自公連立』を盾に、色よい返事はない」(選対関係者)といい、学会を除く宗教団体の取り込みに精力を注いでいる。

 佐藤健治氏(自民党)は中央で連立政権を組む関係から、いち早く公明党の支持取り付けに動いており、現在は野呂善市選対本部長(渡島支庁選出道議)を中心に協力を働きかけている。しかし、選対関係者は「現段階でいい知らせはない。公明党は地方では必ずしも自民党議員を応援しているわけではないので…」と頭を痛める。

 前田一男氏(無所属)も「努力はしているが、無所属のハンディは大きい」(選対関係者)と厳しい見方を崩さない。しかし、9月の自民党総裁選で森派出身の小泉純一郎首相が圧勝し、森派が総裁派閥としての力を増したことで、関係者には「公明票が前田氏に傾くのでは」という見方が根強い。また、9月に森喜朗前首相が来函した際、公明党の吉田恵悦前道議が講演会に姿を見せた点からも、その可能性がささやかれている。

 公明党函館総支部は「現段階では何も決まっていない。支部としての対応はこれから」と表面上は冷静な反応。各陣営にとって、勝敗を左右する公明票はノドから手が出るほど欲しいだけに、公明票を巡るつばぜり合いは激しさを増しそうだ。(衆院選取材班)

提供 - 函館新聞社



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