「棒二ありがとう」 閉館の駅前ビル最後の日曜にぎわう

2022/1/31
 旧棒二森屋アネックスの建物を活用したJR函館駅前のテナントビル・函館駅前ビルが31日で閉館する。最後の日曜日を迎えた30日、思い出の店内を目に焼き付けようと多くの市民が来店した。4階にはメッセージコーナーも設置され、来店客が「棒二さんありがとう」などの感謝の思いをつづった。

 ビル閉館にあたって、駅前・大門地区の店舗でつくる2組合は、加盟店利用で記念品がもらえる「駅前大門大感謝祭」を31日まで開催。記念品の引き換え会場の同ビル4階では、往時の駅前地区を振り返る写真展や、棒二森屋を設計した函館出身の建築家明石信道パネル展も同時開催した。

 メッセージコーナーの壁面には、来店客が「棒二」の屋号を示すロゴマークとともに「棒二さんありがとう」「お世話になりました」といったメッセージを書き込み、思い出を振り返っていた。

 函館市深堀町の主婦、加藤慶子さん(65)は「物心ついたころから家族で買い物に来て食堂でご飯を食べるのが決まりだった。『駅前の顔』で思い入れがあり、建物がなくなってしまうのは寂しいですね」としみじみ。

 大手町の団体職員、岩島禎敏さん(50)は「寂しさとともに近場で買い物ができる場所がなくなる不便さもある。跡地にできる施設は棒二さんの面影が感じられ、地元に愛される場所になってほしい」と期待を込めた。

 最終日の31日はコロナ対策で閉館セレモニーなどは実施しない。大感謝祭の記念品引き換えは午前10時〜午後5時。

 棒二森屋のアネックス館は1982年にオープン。2019年1月末の棒二森屋閉店を受け、本館・アネックスのテナントが入居する商業ビルとして同年2月に開業。同店跡地を活用した再開発ビルの開業までに期間を要するとして、当初から3年間の営業を予定していた。

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