オミクロン株道内初確認 保健所など警戒強める

2022/1/5
 新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」感染者が道内で初めて確認された4日、函館・道南でも警戒感が広がった。道南の新規感染は昨年10月以降、比較的落ち着いて推移しているが、感染力の強さが指摘されるオミクロン株が拡大すれば「第6波」の到来も懸念される。市立函館など各保健所は警戒と対策を一段と強めている。

 鈴木直道知事は同日、報道陣の取材に対し、オミクロン株陽性者は関西在住の40代男性で、昨年12月27日に札幌に帰省したと明らかにした。別のコロナ患者の濃厚接触者として検査を受け判明。既に道内にいる航空機の同乗者や家族の濃厚接触者は特定し、PCR検査で陰性を確認したと報告。知事は市中感染ではなく、陽性者本人は軽症で入院しているとした上で「基本的な感染対策は変わらない。三密回避、マスク着用、手指消毒、換気など警戒感を高め徹底してほしい」と呼び掛けた。

 オミクロン株の詳しい特性は不明で、海外での感染拡大の速さなどから感染力が強そうだと言われる。市立函館保健所の兵庫隆俊次長は「オミクロン株の感染者が道内で確認されたことは残念だが、市民には慌てることなく、これまで通りの予防対策を徹底してほしい」と話している。

 渡島保健所によると、コロナ陽性者は、オミクロン株以外のリンク(感染経路)のある人を除き、全検体を道立衛生研究所(札幌)に送り、ゲノム解析する。オミクロン株を確認した場合は入院、濃厚接触者は札幌に1棟確保した宿泊療養施設(100人分)に滞在させる方針。

 同保健所は「道として体制は昨年から整えており、患者が発生したら速やかに動ける。感染力や重症化の度合い、ワクチンや経口治療薬の効果などの情報を精査しながら対応を進めたい」としている。

 感染の落ち着きに伴い、需要を取り戻していた函館の観光業界にも衝撃が走った。函館朝市協同組合連合会の藤田公人理事長は「オミクロン株は懸念しており、道内の感染状況もこのまま収束するとは思っていなかった。函館でも観光客が戻ってきたので、再拡大となれば、事業者にとっては精神的につらい。道南にも波は近づいており、今は油断せず、基本的な感染対策を徹底していくしかない」と話す。

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