大沼の山林にツリーハウス 自然体験の拠点に

update 2020/10/23 07:09


 【七飯】JR大沼駅にほど近い湖畔の山林内で、ツリーハウスを建設するプロジェクトが進んでいる。山林内でさまざまな自然体験ができるフィールドとする計画で、その活動拠点となる。山林所有者で東京で映像制作会社を経営する小島芳実さんが実施中のクラウドファンディング(CF)は開始から4日間で当初目標の100万円を突破。生物多様性や自然との共生に関心を持つ人たちの支持を集めている。

 小島さんの曽祖父は幕末に七重村に入植し、明治初期に大沼湖畔に開いた宮崎旅館は現在も料理店「湖月」として続く。神奈川出身の小島さんは幼少期から大沼には慣れ親しみ、父が跡を継いだ際に移住し、函館市内の中学校、高校へと通った。大学卒業後はサンリオに入社し、同社のテーマパーク「サンリオピューロランド」の立ち上げに関わった。現在は映像制作会社「GLOBE.」の代表取締役社長を務める。

 両親が高齢ということもあり数年前から帰省する機会が増え、この2年は東京と大沼の2拠点生活を続ける。周辺の豊かな自然環境に強い関心を持つようになり、私財を投じて「湖月」に隣接する山林や沼地などを購入してきた。

 その中で、大沼トラスト実行委員会をつくり、今年2月にはアウトドア用品メーカー「パタゴニア」の元日本支社長、ジョン・ムーアさんとプロスキーヤーの三浦豪太さんを招いた大沼トラストサミットを開催。ムーアさん、三浦さんともに大沼を取り巻く自然環境を絶賛し、子どもたちが自然の中で感性を養うフィールドを残したいという思いを強くした。

 10月5日に始めたCFは「『生き物が暮らす森の山とツリーハウスを作ろう』〜300年先の自然と生物多様性を守る」。同9日に100万円を達成し、次の目標を250万円に据え、22日午後6時現在で133人から約200万円の支援を受けている。鳥の巣箱オーナー、ツリーハウスの一日使用権、山林内のエリアや道の命名権など、ユニークな返礼品もあり、小島さんは「支援者の3分の2は私の知らない方たちで、多くの人が趣旨に賛同してくれている」と喜ぶ。

 ツリーハウスは20日から建設が始まり、11月中に完成を予定。今後、いまある自然や動植物に配慮しながら、果実や木の実などを食べることができる樹木を増やしたり、自然体験活動の場を広げ、学校行事で活用する場合は無料で開放することなど、地域の人たちも活用できる環境を整えていきたい考えだ。小島さんは「子どもたちと植林をしたり、この先もこの場所が残っていくようにしていきたい。大沼の生物多様性や土地に力があることを地元の人にもっと知ってもらえたら」と話している。

提供 - 函館新聞社

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