旧小林写真館、美原で再スタート 新たなスタイル開発へ

update 2020/7/27 07:09


 道内に現存する写真館では最古の建物を使って運営し、今年5月に閉館した「旧小林写真館」(函館市大町)がこのほど、市内美原3に移って再スタートを切った。店主の谷杉アキラさん(52)が営む本店「フォトスタジオタニスギ写楽館」を改装し、以前の店で提供していたレトロモダンな雰囲気の写真が撮影できる。谷杉さんは「写真館としての魂を守っていきたい」と話している。

 旧小林写真館は1902(明治35)年、神戸から函館に渡った写真師小林健蔵が開業。大火による類焼後の07(明治40)年に再建された建物を使い62(昭和37)年まで営業したが、その後は空き家状態が続いた。建物は市住宅都市施設公社が住居や店舗としての有効活用を目指す「西部地区空き家再生事業」の対象となり、入居者を公募。谷杉さんが応募し、2009年8月から写真館として再オープンした。

 本店の合間を縫って予約制で営業し、ハイカラな雰囲気のポートレートを撮影。売り上げの全額を建物の維持費に充ててきたが、今年度以降の賃貸契約がまとまらず、5月9日に閉店した。新型コロナウイルスの影響で道内客からの予約をやむなく断った中、営業最終日には函館市内在住の客を受け入れたほか、夜にはこれまで撮影してきた人々の写真を建物に投影して別れを惜しんだ。「最後にお客さんが来てくれて、居合わせた人々と見届けることができた。美しい終わり方ができたと思う」と振り返る。

 退去後、美原の本店のスタジオに谷杉さんの実家にあった家具や前の店舗で使っていたシャンデリアなどを移設し、アンティーク感あふれる空間を作り上げた。当初は「写真の日」の6月1日に合わせて再オープンを予定したが、社会情勢を考慮し、今月から受け入れを進めている。

 当面は以前の店と同様の撮影メニューを提供しながら、来年春の大型連休をめどに新しいスタイルの写真を開発しようと試行錯誤を続けている。「1年後にはまったく新しい写真館にしていく。それまでに新しいスタイルを完成させたい」と意気込んでいる。

 予約制で、撮影は1日1組限定。予約、問い合わせは同店(090・1386・4840)へ。

提供 - 函館新聞社

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