函館大火から86年 自由参拝で遺族ら約40人が祈り

2020/3/22
 2166人の死者を出した1934(昭和9)年の函館大火から21日で86年が経過した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、市仏教会が例年執り行う慰霊法要は中止となったが、函館市大森町の市慰霊堂には午前中から遺族らが訪れ、犠牲者の冥福を祈った。

 自由参拝となった今年は約40人が訪れ、静寂に包まれる中、焼香を済ませて祭壇に手を合わせた。

 大火で祖父と叔父を亡くした函館市千歳町のパート従業員、吉田有子さん(70)は「法要がないのは残念だが仕方ない。祖父が亡くなったのは自分が生まれる前だったが、一度顔だけでも見たかった。安らかに眠ってほしい」と話した。

 市内の約3分の1が焼失した函館大火は2万2667世帯、10万2001人が被災。慰霊堂には身元不明者679人が無縁仏として納骨されている。

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