ホテル関係者 長期化懸念 ロープウエー再開めど立たず

2016/12/13
 函館山ロープウェイの山麓駅で11日に死亡事故が発生し、運行再開のめどが立たない状況を受け、函館市内のホテル関係者は影響が長期化することに、不安を募らせている。函館山を行程に入れたツアーを販売する旅行会社は、一部代金の返金などで対応する予定だが、事故を知った旅行者からは驚きの声や、函館観光の目玉である夜景を見られないことに対し、落胆の声が上がった。

 ロープウエーのチケットが付いた宿泊プランを提供するラビスタ函館ベイ(豊川町)は12日、対象者に搭乗料金以上の売店グッズを代わりに進呈するなど対応に追われた。吉村聖司料飲宿泊支配人は「夜景は函館観光のメインであり、館内で困っているお客さまが多く見受けられた。一刻も早く復旧してほしい」と話す。

 ホテルニューオーテ(若松町)の齋藤利仁社長は「今のところ予約への影響はない」としながらも、「運休が長引くと風評被害のようなものが出ないか心配だ」と懸念する。

 夜景観賞を含む団体ツアーを売り出す阪急交通社(大阪)は、運休が続く際の対応として行程の変更を検討。担当者は「該当ツアーの参加者にはロープウエーの利用料金分を返金する。他の観光施設の滞在時間を延長したり、イルミネーションの鑑賞時間を増やしたりして調整したい」と話す。

 事故の前日にロープウエーを利用した埼玉県の主婦(68)は「ニュースを見て驚いた。事故に巻き込まれた従業員が亡くなってしまい、とても残念で悲しく思う」と表情を曇らせた。

 夫と道内を旅行中という秋田県の主婦、梶谷恵さん(62)は「温泉につかる前に夜景を楽しもうと思っていたので本当に残念」と肩を落としていた。

提供:函館新聞社

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