千歳町電停付近で市電が脱線

2015/12/30
 29日午前10時半ごろ、函館市千歳町の市電千歳町電停付近で、湯の川発谷地頭行きの電車が脱線した。単独事故で乗客約70人のうち60、70代の女性2人が腰の痛みなどを訴えたが、命に別条はない。

 市企業局交通部と函館西署によると、同電停を発車直後に車両前輪が脱線、上下路線の軌道をふさぐ形で乗り上げた。発車直後で、スピードはそれほど出ていなかった。一般道の車両通行に支障はなかった。

 脱線に気付いた運転士の40代男性が無線で本部に連絡し、乗客のけがの有無を確認したところ、女性2人が名乗り出たが、病院に搬送するまでの状態ではなかった。

 同部によると、レール付近に異常はなく、異物などによる大きな衝撃音も運転士は聞いていないという。当時、断続的に雪が降っていた。原因を調べている。

 五稜郭公園前―函館駅前間で運休し、代行バスで対応した。同日午後5時ごろに復旧した。

 現場近くの自営業の男性は「特に大きな音は聞こえなかった。近所の人が脱線を教えてくれて初めて分かった」と話していた。本町方面に買い物に行こうと正午すぎ、同電停に来た女性は「脱線があったことを知らなくて困った。家族に頼んで車でデパートに行く」と話していた。

 同部によると市電の単独事故は2010年12月にも発生。この時は積雪が原因だった。同部は「年の瀬の時期の脱線事故で多くの人にご迷惑をお掛けして申し訳ない。一層の安全運転に努めたい」としている。

提供:函館新聞社

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