恵山地区「高原コース」 廃道を再整備

update 2015/11/13 10:14


 活火山「恵山」(618メートル)や「海向山」(570メートル)に続く函館市恵山地区側の登山ルートで、長く廃道となっていた「高原コース」を再開する作業が進められている。来年6月にも登山会を開催する計画があり、市恵山支所や道南の山岳関係者らが下草刈りなどを実施。気軽に山歩きを楽しみ、津軽海峡を見下ろすこともできるコースとして、観光客らにも周知を図りたい考えだ。

 恵山の登山道は、椴法華地区側には八幡川コースなど2本あるが、恵山地区側は高原駐車場へのルートのみ。高原コースは、旧恵山小近くの登山口から、海向山コースと合流するまでの全長約2・5キロで、津軽海峡や下北半島を望むことが可能だ。登山口周辺のリゾート開発が進んだことや、ウマやシカの被害への懸念などを理由に、1990年代には事実上の廃道となっていた。

 11日に行われた作業には関係者14人が参加し、海向山ルートとの分岐点から登山口に向かい、草刈りや枝払い、登山者への目印となるテープ付けを実施した。コースの魅力について、函館植物研究会の工藤光信代表は「エゾイソツツジやムラサキヤシオなどツツジだけで十数種は見ることができる。季節ごとにいろいろな植物に出合える」とした。

 ただ、長期間、登山客があまり訪れていなかったことでシカの獣道が点在し、真新しいふんや泥あびをする「ヌタ場」も確認できた。自然倶楽部(駒場町)代表の鎌鹿隆美さんは「登山道を歩く人が増えることによってエゾシカへの圧力にもなる」と話す。

 一方、同支所は10月に海向山コースの老朽化した丸木橋をスチール製に交換。高原コース上にも案内板などを整備する費用を、新年度予算で要望する方針だ。さらに、関係機関との調整やルール作りが必要としながらも、不整地を走る「トレイルランニング」愛好者向けにコースを紹介することを検討している。寺沢輝義産業建設課長は「衝突回避や植物の保護など課題はある。他の登山ルートを含めて恵山全体のゾーニングが必要」と話している。

提供 - 函館新聞社

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