お帰り森小町 町固有のサクラ 森では枯死、茨城から

update 2015/10/26 10:21


 【森】町固有のサクラの品種「モリコマチ(森小町)」の里帰り植樹式が25日、青葉ケ丘公園で行われた。梶谷恵造町長をはじめ、野村洋議長らが出席し、8年振りとなるモリコマチの帰郷を喜ぶとともに、2度と枯らすことのないように決意を新たにした。

 モリコマチは元農業改良普及員の故田中淳さんが1978年、町固有種のサクラ「ホリイヒザクラ(堀井緋桜」とソメイヨシノを交配させたことにより誕生。花びら1枚1枚の色の濃さが異なるのが特徴だ。

 同公園で1本だけ生育していたモリコマチだったが、昨年6月に枯死と診断され、絶滅したと思われていた。

 ところが、枯損の可能性を見据えた日本花の会所属の森町民が、2007年にモリコマチの枝を茨城県結城市の日本花の会「結城農場・桜見本園」に送付し、同場で植栽されていることが判明。これを受け、梶谷町長が現地へ赴き確認したうえで、譲り受けの交渉をしたところ、農場側もこれを快諾。現在同場で植栽されている苗木2本のうち、1本を町が譲り受けることが決まった。

 植樹式には田中さんの妻ミヨさん(90)も出席。梶谷町長や野村議長、田中さんらがスコップを手に健やかな成長を願いながら、丁寧に土をかけると、公園に再びモリコマチの姿が復活した。梶谷町長は「紆余曲折(うよ)を経たが、モリコマチが里帰りしたことは大変うれしい。森町の宝物として大事にし、命をつないでいきたい」と述べ、田中さんは「来年の春が今からとても楽しみ。美しい花を咲かせることを心まちにしています」と話していた。

 移植を担当した苫小牧市の樹木医、金田正弘さん(68)によると、帰郷したモリコマチは樹高約5メートル、幹周りは約21センチ。金田さんは「これから冬を迎え、来年の4月以降に花が咲くかどうかはまだわからない。しっかりとサクラの様子を静観していきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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