市民の善意で備品 アリーナ支える

update 2015/8/9 10:13


 スポーツや大型コンベンションなど、多目的な利用ができる新施設「函館アリーナ」(湯川町1)のオープンから1週間が経過した。スポーツに親しむ市民利用に加え、プロフットサルの公式戦、全道ミニバスケットボール大会などが開かれ、順調な滑り出しとなった。これまでに市に寄せられた市民や企業・団体からの寄付は総額1億5000万円を超え、新たな備品整備に有効に活用されており、円滑な大会運営に一役買っている。

 5、6の両日に開かれた北海道中学校柔道大会。メーンアリーナでは試合場を4面で展開した。畳はすべて市民の寄付で購入した新品で、冷房の効いた真新しい会場で選手たちが熱戦を繰り広げた。17日からは同会場で全国大会開催を控え、選手だけではなく、運営側にとっても大切な前哨戦≠ニなった。

 各試合場が見渡せるように設置した大会本部席や市内生徒が活躍した放送席には組み立て式ステージを活用。約2・4b×約1・2bの天板に脚をはめ込むタイプで、高さを自由に変更できる。数千万円の購入費は寄付金で賄った。

 7月に行われた「GLAY」の公演では横22b、奥行き11b、高さ1・8bの大型ステージとして使用され、今後、センターコートのみを使用する場合にはコート脇に設置する客席用のひな壇としての利用も想定する。市教委は「市だけでは取りそろえることができなかった。組み合わせの自由度が高く、各種大会やイベント誘致のツールになる」とする。

 また、柔道大会では関係者や選手の待機場所は卓球用の柵を仕切り代わりに利用し、試合のポイントや残り時間を表示するデジタル式の多目的大型得点板も視認性が高いと好評だった。大会実行委の事務局長を務める函館亀田中学校の山口哲也教諭(50)は「いい設備が整っていて、全国でもトップレベルの会場。選手にとっても最高の競技場だと思う」と高評価。「全国大会では、視察者用のスペースを広げるなど今大会の反省を生かして万全の体制でお迎えしたい」と話した。

 一方で、施設の備品はすべて新品というわけではなく、旧体育館の備品も多く活用している。スポーツ用の器具類は高額のものが多く、例えばバスケットボールでは、ゴールは一式1000万円程度するという。施設規模が大きくなり、同時展開できるコート数が倍増したが、新規の購入は2面分だけとし、旧体育館で使用してきたゴールもメンテナンスをしながら大切に活用する方針だ。

 市教委は「多くの寄付をいただきながら、備品を整えることができてうれしく思っている。使用状況を確認しながら今後も必要な備品の整備に努め、利用者ニーズに応えられる施設としていきたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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