高浜原発差し止め決定 函館の関係者も評価

update 2015/4/15 10:39


 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分の申し立てに関し、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、申し立てを認める決定をした。仮処分手続きで差し止めが認められたのは初めてで、大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟を起こしている函館市や市民団体の関係者は、「大間訴訟の追い風になる」と高く評価した。

 高浜原発の2基は今年2月に原子力規制委員会の審査に合格しているが、判決では規制委が定める新規制基準に基づき、基準地震動を370ガル(加速度の単位)から最終的に700ガルに引き上げたことに対し、「耐震安全性確保の基礎となるべき数値だけを引き上げる対応は、社会的に許容できることではない」と、新規制基準を事実上否定。さらに、使用済み核燃料についても「格納容器のような堅固な施設によって閉じ込められていない」と、管理のずさんさを指摘した。

 函館市の工藤寿樹市長は14日の会見で、判決に対し「きちんとしたことをついており、心強い判決。追い風になる」と評価するとともに、「田中(俊一)委員長は新規制基準に合致するかどうかを判断するのが規制委の役割だと言っている。(新規制基準が)緩やかで合理性を欠くとすれば、規制委の審査が何なのかを投げ掛けている」と述べた。

 市が国と電源開発(東京)に対して提訴した訴訟では、国際海峡に面している点や活断層の評価がなされていない点を指摘している。同市長はその上で「有効な避難計画の策定や30`圏内の同意権も、(規制委の)審査の基準にすべき」と強調した。

 仮処分は訴訟と違い、決定が出た段階で効力が生じる。同市長は大間原発に対する仮処分申し立ての手段を取ることについては「建設途上で、差し迫っていないと判断されるかもしれない」として現時点では考えていないとした。ただ、「強引に稼働しようとすれば、同じ手段も頭に入れておかなくてはならない」と述べ、含みを持たせた。

 また、函館地裁に差し止め訴訟を起こしている市民団体「大間原発訴訟の会」代表の竹田とし子さん(66)は「素直に喜びたい。原発の再稼働はノーだと思っているので、なおさらうれしい。これを契機に日本の原発訴訟が変わってくれることを願う」と判決を評価。同団体などは15日に6次提訴を行うことにしており、「良いタイミング。7次、8次と原告団を募って訴訟を起こし、大間原発を何としても止めたい」と力を込めた。

提供 - 函館新聞社


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