伊藤さん、仏の慈善公演でピアノ演奏

update 2014/11/27 10:22


 函館のピアニスト、伊藤亜希子さんが10月上旬、フランスで開かれたリサイタル「第6回コンセール・ドゥ・ソリダリテ」(アファニャン、タンギエタ、マダガスカル友の会=AATM=主催)に出演した。スカルなどの名曲をソロで演奏して大好評を得た。アフリカの医療支援をするAATM主催のリサイタルには5年ぶり4回目の出演で、ボルドー、パリで行った2公演の収益金で、アフリカに薬品や本が送られる。伊藤さんは「呼んでいただき、感謝の気持ちで演奏した」と話している。

 伊藤さんは東京芸術大附属音楽高校、同大を卒業、同大学院修士課程を修了後、フランスに留学。当時、世話になったていた日本人夫妻がAATMスタッフと親交があり、慈善公演に招かれたときは自費で渡仏している。伊藤さんは他にも、失業者やホームレスの人のためにパリで開かれたコンサートに出演しており、函館では東日本大震災復興支援のコンサートを主催している。

 会場は、ボルドーのサン=ルイ・デ・シャルトゥロン教会(4日)、パリのサン=ジャン・ドゥ・デュー礼拝堂(7日)。ベートーベン、モシュコフスキ、ファリャなどを約2時間かけて演奏した。繊細かつ情熱的な音色は来場者の心に響き拍手が止まなかった。アンコールで演奏した日本の「ふるさと」には「シューマンの曲か」との質問もあったという。

 ともに約100人の来場があり、入場料と寄付金からの収益金は4394ユーロ(約60万円)となった。帰国後、AATMから「お客さまには素晴らしい演奏を楽しんでいただくことができました。本当にありがとうございました。お疲れが出ないように、そして、ますますのご活躍をお祈りします」とのメッセージが届いた。

 現地では演奏後、「また聞きたい」との声を多く受けたといい、伊藤さんは「援助のために渡仏することは大きな意義がある。また機会があれば」と話している。

提供 - 函館新聞社

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