函館の火災件数減少、防災意識向上や警報器普及で

2012/12/29
 函館市内の今年の火災発生件数は、26日現在で前年より21件少ない72件となっている。市消防本部予防課は「住宅用火災警報器の普及と市民の防災意識の高まりが火災の減少につながっている」と話している。

 同課によると、建物火災が45件で前年同期比15件減、車両や船舶などのその他が27件で同6件減、自殺者を除く死者は2人で同2人減。平成に入ってから1年間の火災発生件数が最も少なかった2010年は71件で、今年はほぼ同じペース。建物火災だけで見ると、今年は最も少ない件数で推移しているという。

 火災減少の要因としては、81・2%という道内でも高い設置率の住宅用火災警報器の影響が大きい。鍋の空だきなどで警報音が鳴り、家人が火を消し止めるケースがあり、警報器による火事の未然防止が焼失面積や延焼の減少につながっているという。一方、警報音を聞いた付近住民が119番通報し、消防車が出動する警戒件数が前年より60件以上増えている。

 また、警戒出動先は65歳以上の高齢者が住む住宅がほとんどで、そのまま放置していたら火災になっていたと考えられる事案も多いという。放火(疑いも含む)やこんろ、たばこの不始末が主な原因となっている。

 同課は「消防出動情報などを電子メールで配信する『ANSINメール』サービスや啓発活動で市民に防火意識が定着してきている。ストーブや電磁調理器など、便利な設備が増えているが、気を抜かずに火の用心に努めてほしい」と話している。

提供:函館新聞社

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