スルメイカ不調

update 2012/11/24 10:17


 道南スルメイカ漁が依然として低調だ。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での取扱量は過去10年で最低だった10月に続き、今月1〜20日も前年同期比73%減の183トンと低迷。夏枯れの長期化や、悪天候で出漁できなかったことが影響した。ただ、今月中旬以降、回復の兆しが見えてきたといい、函館市漁協(橘忠克組合長)は「生け簀(す)イカ直行便」の全国発送作業を22日に終了した。

 市農林水産部によると、今月1〜20日の取扱量は過去5年で最低。品薄感から1キロ当たり平均価格は355円と高めに推移。10月は375トン、同363円だった。

 市漁協は「しけで10月は半分しか漁に出られなかった。夏枯れも長引き、ダブルパンチ」という。「今月11日ごろから量が良いとは言えないが、イカが捕れ始めてきた。これから漁期後半のピークが来てほしい」と願う。

 9月17日に始まった全国発送(注文数1万2500個)は、例年だと10月中に終わるが、今年はいけすイカ確保に苦労し大幅にずれ込んだ。

 加工業者からは原料が逼迫(ひっぱく)し、年明け以降の操業を懸念する声が上がっている。

 道総研函館水試(湯川町)によると、夏枯れの影響で漁獲量の減少が9月下旬から始まり、長期化。今月5〜9日に行った道南太平洋の調査でも、分布密度は過去同時期に比べ低く、道東からの群れの南下が遅れていることが分かった。

 澤村正幸研究主任は「今後は南下群の来遊によって津軽海峡での漁獲が上向くと考えられる」とする一方、「来遊状況によっては道南海域での漁場形成が低調に終わり、トータルの漁獲量がそれほど伸びずに漁期が終了する可能性がある」と指摘する。

提供 - 函館新聞社


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