医学部誘致、工藤市長が同志社大に打診

update 2012/5/25 11:35


 函館市の工藤寿樹市長は24日の定例会見で、同志社大学(京都)に対し、函館への医学部誘致を打診していることを明らかにした。医学部誘致構想に関し、学校名を明言したのは初めて。国が現段階で医学部新設を認めていないことから、市長は「さまざまな課題があるが、誠意を尽くしながら検討を進めたい」と述べ、全面的に協力する意向を示した。

 工藤市長は今年4月、市民団体との懇談で、関西有名私大に医学部新設構想があり、函館を視察したことを明らかにしたが、具体的な校名の言及は避けていた。

 市は西尾正範前市長時代に公立はこだて未来大学への医学部誘致を検討してきたが、工藤市長は市の財政負担などを理由に撤回。その後、医学部新設の意向を持つ早稲田大など有力私大に対して水面下で接触を図っていた。

 同志社大に対しては今年に入り、札幌で市幹部が関係者と接触。3月に同大の理事が函館を訪問していた。市長は会見で、視察の返礼として今月17日に京都を訪れ、学校法人同志社の八田英二理事長兼学長と会談したことを明らかにするとともに「あくまで市からの動き」と説明した。

 ただ、文部科学省は1979年の琉球大(沖縄)を最後に、医学部の新設を認めておらず、設置する際には附属病院の設置が必要条件とされている。市長はこの2点を課題として挙げた上で、市立函館病院や市内の有力病院に対して「連携病院」としての協力を求める意向を示し、「賛同いただけるなら、お金をかけなくてもできる」と述べた。

 加えて工藤市長は、創設者の新島襄(1843―90年)が函館から米国に渡り、毎年6月に渡航記念祭を行い、学生もキャンプに訪れている点などから「非常に縁のある大学」と強調。ただ、医学部設置には多額の資金がかかることから「同志社側もきわめて慎重。期待を持って進めていくには至っていない」とし、国の動向を見ながら検討を進めていく考えを示した。

 学校法人同志社(京都)は函館新聞の取材に対し「工藤市長と八田理事長が京都で会い、医学部の話をしたのは事実」と説明。学校法人では理事会の下に、文科省の医学部入学定員検討会にかかる情報収集プロジェクトチーム(委員長・八田理事長)を設置し、国の動向を調査中としており「まだ情報収集の段階で、医学部設置の検討自体がなされていない。当面は国の方針を見極める必要がある」(広報課)と話している。

提供 - 函館新聞社


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