未払い金回収に不安の声…安愚楽牧場破産へ

update 2011/11/10 09:41


 民事再生中の「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)が破産手続きへ移行することが決まったことを受け、道南の関係者からは未払い預託料の支払いについて不安の声が相次いだ。来年度以降、同社からの預託牛の受け入れはなくなる見込みで、公共牧場収入への影響を心配する声も出ている。

 道によると、道内には直営牧場8カ所、預託農家136戸に約6万5400頭が飼育されていて、道南では渡島管内に預託先牧場が3カ所、個別に牛を預かっている農家が1カ所あり、直営農場はない。

 関係者によると、12月上旬までに東京地裁に再生債権届出書を提出。破産法に基づき来年2月ごろに手続きが完了、各債権者に配当される見込み。預託料の未納分は八雲町が約346万円、北斗市が約490万円、JA新はこだてが約38万円。破産手続きに移行しても債務の弁済を続けることに変わりはなく、関係機関の債権回収作業も変化はない。

 八雲町育成牧場(熱田)で210頭を預かっていた町は「全額支払ってほしいという町の方針に変わりはない。牧場では、地元の乳牛を中心に預託頭数が増える傾向にあり、安愚楽の分が減っても大きな影響はないのでは」(農林課)とする。同町内で個別に牛を預かっている農家については「農家の意向を聞き、町としても何らかのアドバイスをしたい」と同課。

 今年から北斗市営牧場(村山)で527頭を飼育していた市は「安愚楽がなくなるので、来年度以降の牧場での預託を検討する余地がなくなった。牧場の収入面から見て、安愚楽に匹敵する大口を探す必要がある」(農政課)という。

 南渡島地区家畜育成牧場(木古内町幸連)で43頭を預かっていた同JAは「幸いにして未納額は少ないが、一円でも多く回収できるよう頑張る」(酪農畜産課)としている。

 同社の民事再生手続きは「清算型」を選んだため、破産手続きに移行しても牛や施設を売却した収入を弁済資金に充てる方針。

 道農政課は「道内への影響はまだ明らかではないが、引き続き預託農家や直営牧場について情報収集し、総合振興局・振興局、市町村とも連携し相談に応じていく」とする。

提供 - 函館新聞社


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