函館福島県人会、避難者招き懇談会 同郷集い心和らぐ

update 2011/11/4 12:42


 函館福島県人会(熊坂成剛会長、会員52人)は3日、東日本大震災や福島第一原発事故の影響で福島から函館に避難し、生活している家族を市内の料理店に招き、懇談会を開いた。参加した人たちは「懐かしい雰囲気になり、気持ちが和らいだ」などと笑顔を見せる一方、同会員らに、先が見えない古里の暮らしについて話した。

 避難している人にとって、厳しい北海道の冬を初めて迎えることで気掛かりなことが多いのではと同会が考え、企画。同県からの避難者約40世帯へ案内状を送ったところ、10世帯の28人が参加した。同会によると、欠席者のほとんどは「このような企画は励みになり、大変うれしい」「次回の催しには絶対参加したい」などと感謝のメッセージを書き添えていたという。福島県北海道事務所の川島俊和次長によると、札幌などでNPO法人が避難者を招いた催しを開くことはあったが、道内に10ある福島県人会による催しは初めてという。

 函館福島県人会からも12人が参加。熊坂会長が「福島といえど多くの地域から函館に集まっているが、今日を機に、多くの知り合いができ、生活の励みになれば」とあいさつ。参加者はイカの刺し身などに舌鼓を打ち、歓談。

 南相馬市原町のタクシー運転手で、妻とともに親族のいる函館に来て、現在は恵山地区の柏野町に住んでいるという前田弘市(ひろし)さん(68)は「近隣の人から魚をもらったこともあり、函館は温かい人が多く、本当に助かっている。今日は隣の席の人が福島でも隣の地区に住んでいると分かり驚いた。皆、初めての人だが、懐かしい気分になれて良かった」と笑顔を見せる。

 しかし、前田さんの会社は、地域に戻る人は少なく、利用客も減少しており、戻っても仕事にはならないという。「働くことができないので帰れないが、ここでも仕事を見つけないと」と話していた。また、別の参加者からは「今、福島に戻っても健康面に不安があるが、ここでも冬の寒さで小さな子供が心配。私の車の運転も心配」との声があった。

 会場には民主党の逢坂誠二衆院議員が訪れ、参加者からは原発事故に伴う放射性物質の除染などで、東京電力や県の見解や今後の見通しがあいまいなため、政府として対応を望む声が聞かれた。

提供 - 函館新聞社


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