椅子に座るだけで筋力アップ! 函館発健康器具「アピュア」開発

update 2011/6/25 10:46


 道立工業技術センター(函館市桔梗町)と健康器具メーカー「パテントワークス」(同、笠井文雄社長)などは、椅子に座ったまま体幹筋力を鍛え、美しい姿勢を身に付けることができる座面設置型の健康器具「apyua(アピュア)」を開発した。産学官が連携し、筋力や姿勢の維持につながる効果を実験で検証することで、一般的な健康器具と差別化を図った。付属エクササイズDVDを利用すれば、ダイエット効果も期待できるという。

 プラスチック製のアピュアは、座るとグラグラするため正しい姿勢を保とうと、腹や背中、腰回りなどの筋肉の活動を促す。

 同社は、現代人が日常生活で椅子に座っている時間が長いことに着目。家庭やオフィスで座った状態で、手軽に体幹筋力をトレーニング、美しい姿勢をつくるツールの開発を思い立った。笠井社長は「体幹筋力の低下は、姿勢の悪さにつながると言われる。姿勢の悪さは医学的にもさまざまな病気と深い関係があるとされる」と説明。同センター、同社、道総研工業試験場、札幌医科大がタッグを組み、構想から約4年で商品化に成功した。

 開発では、同センターが強度評価を実施。体重90キロの人が使うと想定、132キロの力を10秒間かけ、それを10回繰り返す試験を行ったところ、破損せずに十分な強度があった。さらに最大816キロの荷重にも耐えられることを確かめた。

 同試験場は動作解析を担当。アピュアを使った場合とそうでない場合に体の動きがどう変化するかを調べた。15人がそれぞれ15分間座ってもらい、上半身の前後の傾き具合を測定。アピュアを使わない場合は徐々に猫背のような前傾姿勢になっていくのに対し、使った場合は着座開始時の姿勢を保つことができた。

 札医大は筋活動を解析。腹、横っ腹、背筋にある5部位について15分間の活動量を調べたところ、アピュアを使わない場合は背筋の活動量が最大30%低下するのに対し、使った場合は活動量を維持。腹と横っ腹の下部は筋活動量が高まることが分かった。

 同センター機械電子技術科の村田政隆主任は「アピュアは場所を選ばず、振動や騒音の心配もない。自分の生活リズムの中でトレーニングできるのが利点」と話している。

 同社は昨年10月に販売を始め、これまでに900個を売った。赤、青、オレンジの3色。1個エクササイズDVD付き7980円。全国の東急ハンズ、スポーツ用品店・ヴィクトリアで販売している。特許出願中。

 問い合わせはパテントワークス電話0138・34・7892へ。

提供 - 函館新聞社


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