ホウレンソウ出荷制限、風評被害懸念広がる

update 2011/3/23 15:15


 福島第一原子力発電所の事故の影響で、福島、茨城、栃木、群馬の4県産のホウレンソウなどが出荷制限となったことで、道南の卸売市場やスーパーなど小売店は道内産への切り替えなどの対応を迫られた。函館市はほかの品目にも4県産の野菜を敬遠する“風評被害”を懸念するが、一部の小売店では消費者の健康を考えて、自主的にほかの葉物野菜も店頭から撤去するなど、捉え方はさまざまだ。

 4県産の野菜で出荷制限されたのは、食品衛生法上の暫定規制値を超える放射能が検出されたホウレンソウとカキナ。ホウレンソウに似た形態のカキナは、道内の消費量がわずかのため現在のところ目立った影響は確認できない。

 道南の対応で、小売店の中でも敏感に反応したのはコープさっぽろだ。同社は検査値が発表された19日、茨城県産のホウレンソウをミズナやパセリなどほかの葉物野菜とともに店頭から撤去した。「お客様の健康を第一に考え、葉物は同じように放射能が出る可能性があり大事を取った」と同社。22日までに4県産に千葉県産も加え、可能性があると考えた野菜類を店頭から回収した。

 4県産のホウレンソウが入荷しなくなったことで、同店も含めたスーパー各社は産地切り替えで対応する。渡島・桧山に16店を展開する道南ラルズでは、この時期のホウレンソウに占める4県産の割合は10%程度。「青森県や埼玉産に切り替えているが、今後は地物が多くなるのでさほど心配はしていない」。

 函館市青果物地方卸売市場(西桔梗町)が3月に扱うホウレンソウのうち、4県産の昨年実績は約15%だった。この割合について市市場課は「さほど多くはない」とみており、「今後は道内産が増えてくるので流通量は心配ないレベル」とする。

 同市場には22日、20日以前出荷の群馬県産ホウレンソウがあったが、この日の取引は見送られた。同課が市立函館保健所に対応を問い合わせた結果、「規制前なので問題ない」との回答を得たことから23日には取引される見通し。

 同保健所は「放射能は微量で、ゆでると減るという。ホウレンソウ以外の野菜についても国が検査結果を受けてその都度適切に対応するので、『流通しているものは大丈夫』と考えてよい」との見解。消費者には「過敏にならず冷静に対応してほしい」と呼びかける。

提供 - 函館新聞社


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