選挙活動に震災の影 市長・市議選

update 2011/3/17 11:24


 任期満了に伴う函館市長選と市議選は、4月17日の告示(同22日投開票)まで1カ月となった。現時点で市長選に立候補を表明しているのは、無所属の現職で2選を目指す西尾正範氏(62)と、無所属の新人で前函館市副市長の工藤寿樹氏(61)の2人。市議選には現職、元職、新人合わせて37人が出馬する見通しだ。各陣営とも支持拡大に全力を注ぐ中、11日に発生した東日本大震災によって被災した市民が多い上、被災者に配慮するムードも手伝って、陣営の活動に支障が出ている。(統一地方選取材班)

 西尾氏は公立はこだて未来大への医学部設置推進や子育て、健康づくりの充実、町会館を活用し、退職教員が子どもの指導に当たる「寺子屋」の創設などの公約を掲げる。水産業界や教育・文化関係団体を中心に推薦を受け、支持固めを進める。

 陣営はリーフレット6万枚を配布、さらに5000枚増刷して市民への浸透を図っており、後援会加入の申し込みも「前回選挙を上回るペース」(陣営幹部)という。22日に総決起集会を開き、約1000人の参加を見込む。

 西尾氏本人も公務の合間を縫って支援者回りを進めていたが、市内で冠水被害が発生したため状況が一変。11日以降は公務に専念し、選挙関係の動きを制限している。陣営幹部は「連休明けごろから活動を再開したい」と話す。

 一方、工藤氏は経済対策や財政再建を公約の柱に据え、西尾氏との政策の違いを強調する。市職員の給与カットを含めた行財政改革も、争点に持ち込む構えだ。

 後援会の会員数も企業・団体への朝礼やあいさつ回りに伴って増え、「間もなく3万人に到達する勢い」と支持を広げる。団体からの推薦も商業関係や土木・建設関連、農協など幅広く取り付けたが、知名度不足は否めず、工藤氏も「時間との戦い」と焦燥感をにじませる。

 17日には予定通り「励ます会」の開催を決めたが、陣営内でも開催を逡巡(しゅんじゅん)する声もあり、「選挙日程が変わる気配はないので…」と苦渋の決断に至った。震災後には選挙活動を自粛している部分もあり「今が大事な時期なのにやりづらい」。

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 市議選の立候補予定者は大半が事務所開きを終えている。現職は22日の第1回定例会の終了以降、活動に本腰を入れる構えだが、やはり震災が影を落とす。

 各候補予定者とも政策や人柄を周知する時期に差し掛かっている中、ある候補予定者は「こんな状態では、よほど親しい間柄でなければあいさつ回りはできない」と嘆いた。冠水被害にあった朝市を避ける向きもあり、被災地の訪問活動が当選のための“パフォーマンス”ととらえられることを懸念する。

提供 - 函館新聞社


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