国立函館病院がリンパ浮腫外来を新設

update 2010/9/16 14:47


 国立病院機構函館病院(函館市川原町18、石坂昌則院長)は14日から、乳がんの手術後に腕などが太くなるリンパ浮腫(ふしゅ)の専門外来を新設した。道南の総合病院では初めてで、同病院は「今はリンパ浮腫の治療が可能となった。一人で悩まず相談に来てほしい」としている。

 リンパ浮腫は乳がんの手術でリンパ節を切除した際、リンパの流れが悪くなり、腕や脚がむくんだり、腫れてしまう症状。手術後にはすぐに症状が現れず、一度太くなると根治が難しいとされている。

 これまでは、手術の後遺症と認識され、医療機関でも十分な対応ができなかったのが実情だ。

 がんの予後治療に力を入れている同病院は、こうした実情や患者の声を受けて体制づくりに着手。6月には看護師2人がリンパ浮腫指導技能者養成協会(福岡市)認定のリンパ浮腫指導技能者を取得。日本乳がん学会認定医で、同病院の小室一輝外科医長と資格を取得した布施美江、藤尾彩子両看護師の3人で専門外来を受け持つ。

 外来ではカウンセリングの後、治療方針を決め、医師の診療や患部をマッサージする「リンパトレナージ」、セルフケアの指導などを行う。

 布施看護師は「治療に臨む患者さんの力になれれば。リンパ浮腫に苦しんでいる方はもちろん、乳がんの手術を受けた方も相談に来てほしい」と話す。

 当面、腕のリンパ浮腫のみの治療をし、専門スタッフを養成するなどして脚の部分も対応していく考え。

 外来は毎週火曜に実施し、完全予約制。受診前に検査が必要。問い合わせは同病院相談支援室TEL0138・51・0229。

提供 - 函館新聞社


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