函館市、市放牧場廃止へ

update 2009/9/20 15:10

 函館市は、乳牛育成用に開場した市放牧場(鉄山町185)を本年度末で廃止する方針を固めた。市内の酪農業の衰退とともにて放牧場使用も減少傾向が続いているためで、市は早ければ12月の市議会定例会に廃止条例案を提案する。

 同放牧場は酪農家の乳用牛を中心とした規模拡大を進める目的で1970年に開場し、広さは約190ヘクタール。使用期間は毎年5月15日から10月末までで、現在、新函館農協が指定管理者として管理している。

 市農林水産部によると、放牧場の使用状況は1990年代前半をピークに年々減少傾向となっており、乳用牛の年間実績は、92年の延べ2万5317頭(実数197頭)から、08年度は6729頭(同51頭)。本年度7月現在では、実数で乳牛が4戸31頭、肉用牛が2戸9頭、馬が4戸62頭となってる。管理委託など約1300万円の経費に対し牧場利使用料の収入は約200万円にとどまり、市の負担も増えている。

 市内の酪農業は60、70年代に牛の頭数を増やしながら規模拡大を図り、1戸当たりの所有頭数は増加したが、一方で乳価の下落などで経営安定が図られず酪農業から撤退する戸数も増え、放牧場の利用も落ち込んだ。

 こうした状況を受け、市は本年度に入り廃止する方向で市内の酪農家と協議。生産コストを抑え収益性の向上を目指した酪農転換が必要との認識で一致し、廃止については各農家の理解を得ているという。今後、牧草の採取地などの活用を検討する考え。

 同部は「新たな酪農振興策を考えていく。共同利用施設の整備や共同運営構築などの取り組みに支援していきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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