区画整理で空洞化懸念…石川稜北に宅地600区画 市が1カ月の猶予

update 2009/9/11 09:33

 第3回函館市議会定例会は10日、一般質問が始まり4氏が立った。市が新たに、石川稜北地区33ヘクタールを市街化区域に編入する手続きを道に対して始めたことについて、中心市街地の空洞化に拍車が掛かるとの批判があった。対象区域では20.6ヘクタールに600区画を造成する民間の区画整理事業があり、市は地権者の同意を得るために1カ月の猶予を与えたことも分かった。

 福島恭二氏(民主・市民ネット)、志賀谷隆氏(公明党)が取り上げた。

 コンパクトシティーを推進する市が、反対の道に進んでいるとの指摘について、山本真也都市建設部長は「郊外に良質・低廉な宅地を求める一定のニーズがあり、市外への人口流出を防ぐ観点からも市街化区域に隣接する調整区域での宅地開発を認めてきた」と述べた。

 人口減少を受け、道は来年度から、住宅系の用地の市街化区域編入を認めない方針を決めた。日程上、新たな宅地系の市街地編入は今年6月中の申請がリミットとなり、市は「最後の機会であること」(山本部長)から、6月に道に編入の意向を伝え、地権者の同意率を9割程度まで高めるよう区画整理事業準備組合に1カ月の猶予を与えた。

 6月末の同意率は78.95%だったが、7月末で85・09%まで上がった。しかし、7月30日に西尾正範市長をはじめ特別職や幹部で開いた会議では、「未同意者が17人残っており、実施が難しい。市として政策的に進める事業ではない」(西尾市長)との声があった。しかし、最終的に、事業を確実に実施できる業務代行者を8月末までにつける条件を準備組合に付して、これが実現し市街地編入手続きを開始した。

 この経緯に関する質問に対し、西尾市長は「駄目ではないかという議論はあったが、都市建設部が道と協議し、法律に基づいて結論を出した。何ら意図はない」と述べた。

 今年3月末には、石川稜北地区に隣接する石川中央地区で30ヘクタールの市街化区域編入がされ、区画整理で20.8ヘクタールに650区画を造成する事業も進められている。人口減少が続く中での相次ぐ宅地造成に、志賀谷、福島氏は強い懸念を示し、市の判断を疑問視している。

 市議会は10日、委員11人からなる決算特別委員会を設置し、委員長に金沢浩幸氏(新生クラブ)、副委員長に道畑克雄氏(民主・市民ネット)を選出した。2008年度一般会計決算など17議案を18、24、25日に審議する。

提供 - 函館新聞社




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