人力車のえびす屋 函館撤退検討、事業規模縮小も模索

update 2009/9/10 14:24

 全国の観光地で人力車サービスを展開する業界大手の「えびす屋」(京都)が9月末で、函館からの撤退を検討していることが9日、分かった。利用客の低迷による営業不振が要因だが、地元の観光関係者から存続を望む声も多く、同社は現行より規模を縮小した形での営業継続も模索している。

 えびす屋は函館のほか、京都や鎌倉、浅草など全国9カ所に営業所を展開。函館店(函館市豊川町、鈴木一史店長)は2006年3月に、道内では02年の小樽に次いで進出を果たし、現在、西部地区のベイエリアを拠点に人力車9台、従業員8人で営業している。

 同社によると、撤退の検討入りについて、函館店は開業以来赤字が続き、現体制では業績回復の見通しが立たないと判断したため。長引く不況や観光客の減少に加え、函館特有の強い風や多雨などの天候不順、他都市に比べ観光地が市内に分散していることなども影響したとみられる。

 函館店は今月に入り、ベイエリア周辺の関係先に撤退の意向を伝えたが、地域から営業継続の強い要望があり、同社は「函館の名物になっているという温かい言葉もいただいた。今後は人員配置などを縮小した営業形態も思案中で、まだ結論は出ていない」と撤退と事業縮小の両にらみの構えだ。

 人力車も観光案内によく立ち寄るという市地域交流まちづくりセンターの丸藤競センター長(44)は「函館の街並みにすっかり溶け込み、人力車の走る風景がなくなるのはさみしい。従業員も礼儀正しく、勉強熱心だったので何とか存続してもらいたい」と話している。

提供 - 函館新聞社




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