国際啄木学会最終日、ゆかりの地を巡る

update 2009/9/8 11:29

 国際啄木学会創立20周年記念函館大会(実行委主催)は最終日の7日、会員約70人が啄木ゆかりの地を巡る「啄木文学散歩」を開いた。市内西部地区を中心に約10カ所を回り、啄木が愛し、感性をはぐくんだ函館に触れ、あらためて人物像、短歌誕生について迫った。

 宿泊地をバスで出発し、市文学館(末広町)で啄木の資料を見学。車内から旧函館弥生小校舎(弥生町)を眺めた後、函館公園などの青柳町かいわい、啄木一族の墓(住吉町)、立待岬、啄木小公園(日乃出町)などを訪れた。墓前では、会員が樺太の日ロ国境の標石を模した墓の形や、啄木の思い出の地、青柳町に向かって立っていることなどを説明。初めて訪れた外国人会員らは興味深そうに聞き入りながら、手を合わせていた。

 啄木小公園では、記念碑に書かれた「潮かをる 北の浜辺の 砂山の かの浜薔薇(はまなす)よ 今年も咲けるや」に出てくるハマナスの花がわずかに残っており、会員たちはピンクや白の花や実を写真に収めた。

 参加したインド・ネルー大学のP・A・ジョージ教授は「立待岬から見る大森浜などは予想以上の絶景。『東海の小島の―』など、啄木の短歌に出てくる場所に込められている意味が分かったような気がする。自分が取り組む『一握の砂』のマラヤラム語(インド南部の言語)訳を早く完成させたい気持ちになった」と話していた。

 同会の太田登会長は大会を振り返り「地元の学生を対象とした青春短歌の盛況や、国際パネルディスカッションの発表で、『未来への架橋』という大会のテーマにあった内容となった。外国人が短歌の形式や啄木作品の奥深さについて意見を出し合い、国際学会として成功した大会となった。海外で、俳句に続き短歌に取り組む人が増えてくれれば」と話していた。

提供 - 函館新聞社




前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです