新駅は「北斗函館駅」 北斗市議会委決議

2010/9/29
 【北斗、函館】北斗市議会の新幹線建設促進調査特別委員会(中井光幸委員長)が28日、開かれた。JR渡島大野駅付近に建設される北海道新幹線新函館駅(仮称)の駅名について「北斗函館駅」と決議し、今後関係機関に求めていくことを決めた。12月定例会時の全員協議会で報告した後、JRなどへの申し入れを含めて次回以降の委員会で検討する。この決定に函館市は冷静な対応を見せるが、少なからず波紋を広げそうだ。

 駅名は道や地元自治体の意向などを考慮して、JRが決定する。同委員会では6月から駅名についての議論を進めていた。

 この日は、駅のある行政区の名称が自然であるとして「北斗駅」を主張する案と、函館圏域として運動してきた経緯や函館市の全国的知名度などを踏まえて「北斗函館駅」とする案で二分された。一方で早期に北斗市議会としての主張を内外にPRするためにも、意見をまとめるべきとする声も多く出され、記名投票による決議に至った。

 投票は委員6人で両案それぞれで行われ、ともに3対3の同数に。そのため中井委員長の委員長裁決で「北斗函館駅」に決まった。

 決議後、中井委員長は「これまで函館と一緒に誘致を進めてきた経緯や、道南域のことを思えば函館は外せない。一方で、駅前整備や駅が所在する行政区を考えると、両市の名称を採った方がベター」と述べた。また函館の反応については「函館が判断すること。現在の仮称は決定したものではない」と語った。

 高谷寿峰市長は「市議会の決定で拘束されるものではなく、現時点ではコメントできない。ただ今後JRから駅名について話が来た時には議会の動きも伝え、自分の考えも表明する」としている。

 一方、函館市は従前から、市の知名度を受けて、新駅の名称から「函館」は外せないとのスタンスを取る。渡辺宏身企画部長は「現段階でコメントはできないが、市民の声を反映させることが市としての務め」と冷静に話す。

 ある函館市議は「“北斗函館”は折衷案として、函館に配慮したと考えた方がこれからの両市の連携や振興にとっていいのでは」と受け止める一方、別の市議からは「願わくば函館を先にしてほしいが、七飯町も含めて2市1町で委員会を作り、協議する必要があるのでは」との意見もある。

 また、保守系市議の一人は「新駅は函館から遠く、無理に“函館”を付ける必要はない。そうすることで現函館駅に誘致しようという機運が盛り上がるのでは」と含みを持たせる。

提供:函館新聞社

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