洞爺丸台風慰霊法要、犠牲者の冥福祈る

2010/9/27
 【北斗】1954年9月26日に発生した洞爺丸台風事故の犠牲者をしのぶ慰霊法要が26日、北斗市七重浜の「台風海難者慰霊碑」前で開かれた。全国各地から遺族ら約70人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。

 洞爺丸台風事故では、青函連絡船「洞爺丸」と4隻の貨物船の合わせて5隻が台風15号による突風や高波で沈没し、乗客・乗員1430人が犠牲となった。慰霊碑は多くの遺体が漂着した七重浜の海岸に事故の翌年建立。現在は青函連絡船遺族会(渋谷武彦会長)と函館市仏教会(日比優道会長代理)が中心となり毎年法要を行っている。

 さわやかな秋晴れの下、僧侶が読経する中で参列者は順番に焼香。中には親子3代で手を合わせる姿も見られ、事故から半世紀を超える歴史の重みを感じさせた。

 続いて高校生の時に、洞爺丸の船員だった父を亡くした遺族会の富樫淳次副会長があいさつに立ち「毎年たくさんの遺族の方々が法要に参加してくれることは大変ありがたい。今後は次の世代にこの事故の記憶を伝えていくことが大切」と訴えた。

 3歳の時に母親と妹、叔母を一度に失った佐賀県在住の唐島佳仁さん(59)は、20年前に北海道に旅行した際に慰霊碑の存在を知り、それ以降毎年法要に参加している。唐島さんは「地元のみなさんが、毎年欠かさずに法要を行ってくれていることに心から感謝したい」と話していた。

提供:函館新聞社

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