イカ 今年は獲れない年? 暑さだけが原因じゃない… 「自然の周期」と意見も

update 2010/9/17 14:29

 6月に解禁された函館近海のマイカ漁が昨年に続き低調だ。函館市農林水産部によると、9月10日現在の市水産物地方卸売市場での取扱高は1636トンで、不漁だった昨年よりも同期比で92トン多い。平均市場価格は1キロ329円で、同じく前年同期より61円高い。市場関係者は「数字だけだと良くないが、一方的に『不漁』と決めつけたくない。自然条件が影響している」と語り、研究者からは「漁の不調は周期的なもの。急に資源がなくなったわけではない」との指摘もある。

 解禁直後は水温が低く、来遊の上昇に遅れが出ていた。7、8月は猛暑で水温は上昇した一方、しけが少なく表面に熱さがこもり、イカが好む12―23度の好漁場が少なかったことが不漁の一因とされる。改行 ただ、記録的な暑さだけが不漁の原因とは言えないようだ。道立函館水産試験場によると、豊漁と不漁は自然の周期によるものが大きいという。担当者は今年の漁について「今は高水準期の中での不漁」と分析。ピークとなった1997年は渡島全体で8万5804トンの漁獲量があったが、近年は3―5万トンで推移している。

 道の統計では、10―20年前後の間隔で豊漁と不漁が繰り返されている。ある漁業者は「不漁、不漁と騒ぎ立てるのではなく、資源の浮き沈みを把握することが重要。不漁が先行して消費者が混乱することだけは避けたい」と強調する。 道南では例年、秋にかけて定置網漁が最盛期を迎える。南茅部地域では、マイカが一日で300―500トン入ることもある。同市場が取り扱う2、3カ月分を数日で塗り替える水揚げ量だ。

 同試験場は「南下するマイカが入れば、今の不漁具合を盛り返すことはできる。来遊数は少ないかもしれないが、大きさで十分巻き返すことも可能」としている。

提供 - 函館新聞社




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