樺太から引き揚げ 62年時経て「父の形見」家族の元に

 終戦後に樺太(サハリン)から引き揚げた清水治作さん(享年42)が税関に預けていた証券類や預金通帳など6点が12日、函館税関から四男の豊さん(68)=函館市上野町在住=に返還された。62年の歳月を経て戻ってきた“形見”に、豊さんは「終戦記念日を前に『返ってきたよ』と父の仏前に報告したい」と感慨深げに話している。

 返還されたのは「樺太糧秣(りょうまつ)株式会社」の株券4枚(額面総額1500円)、旧北海道拓殖銀行発行の残高827円47銭の普通預金通帳1通、200円の定期預金証書1枚。日銀函館支店によれば、現在の貨幣価値に直すと、額面で15―16倍に相当するという。

 当時は連合国軍総司令部(GHQ)がインフレ防止のため、海外からの民間引き揚げ者の現金や有価証券類の国内への持ち込みを1000円以内に制限していた。1947年に当時6歳だった豊さんが樺太から両親ときょうだいの計7人で樺太から函館に上陸。その際に父治作さんが税関に預けたとみられる。

 豊さんが7月下旬、新聞記事で税関が証券類を返還していることを知り、照会して判明。この日、同税関でセピア色になった父親名義の証券類と初対面した豊さんは「金銭的な価値よりも大切な思い出の証し。厳しい時代を生き抜いた父の形見としてわが家の家宝にしたい」と感無量の表情で語った。ともに引き揚げた95歳の母ナミさんときょうだいにも近くお披露目するという。

 同税関の山口健一監視部長は「無事に返すことができてほっとしているが、われわれの戦後処理はまだ終わっていない」と話す。同税関では現在約1万9000人、約8万4000件分が引き取り手がないままだ。預かり証がなくても引き揚げ時期や証券類の名義人の名前などが分かれば返還することもできる。問い合わせは同税関監視部統括監視官部門TEL0138・40・4244。

update 2009/8/13 12:26
提供 - 函館新聞社


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