金丸さん昭和30年代の函館の写真集出版

 函館市に住む青函連絡船の元乗組員で、写真家の金丸大作さん(84)が、昭和30年代の函館の風物や出来事を収めた写真集「函館物語―昭和の函館から」を制作した。浜辺や砂山で元気に遊ぶ子どもや青函連絡船の変遷、開港100年の港まつりのにぎわいなどさまざまな風景を切り取った341枚を収録。7月1日に発行する予定で、金丸さんは「今は見られなくなった函館の情景を楽しんで」と話している。

 金丸さんは1944―83年の39年間、連絡船の無線通信士として勤務した。カメラは23歳のころ群馬県の実家に職場を伝えようと始め、まもなく函館の街を写真に残したいと各地でシャッターチャンスを狙うようになった。連絡船の写真集は84年と2006年に出版したが、カメラを手にして60年が過ぎ、函館開港150周年の節目を迎えたことし、活動の集大成として撮りためた数万枚の中から自信作を選んでまとめた。

 写真集では、浜辺で素っ裸で転げ回ったり、街角でチンドン屋や紙芝居に熱中する子どもたちの様子を数多く紹介。洞爺丸台風のあった54年、天皇皇后両陛下が連絡船から下船する瞬間を押さえた1枚や、乗客でごった返す船室の情景も掲載している。

 北洋サケマス漁業や大相撲巡業、市営競輪の女子レース、作家川端康成氏の来函などページをめくるたびに戦後復興期の世相の移り変わりが伝わってくる。

 金丸さんは「当時は子どもも多く、北洋漁業も盛んで活気に満ちていた。面白い被写体に恵まれ、自由に何でも撮れたので休みになると撮影で飛び回っていた」と振り返り、「写真そのものが記録だが、まさに昭和時代のドキュメンタリーといえる。還暦を迎える世代の人に懐かしんでほしい」と話している。

 A4判モノクロとカラー、155ページ。1冊2900円で、函館市内の五稜出版社から1000部発行する。市内の書店で販売するほか、7月9―14日には出版を記念し、函館市若松町17の棒二森屋で写真展を開催する。

update 2009/6/28 10:40
提供 - 函館新聞社


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