3航路で年間赤字50億円…東日本フェリー撤退 古閑社長が会見

 東日本フェリー(函館市港町3)の古閑信二社長は8日、函館北洋ビル(同市若松町15)で記者会見し、11月末で函館―青森など3航路の国内フェリー事業からの撤退を正式に発表した。燃油高騰や利用客の伸び悩みから採算が悪化したためで、3航路全体で年間の赤字が約50億円に膨らむことを明らかにした。昨年9月と今年5月に相次いで就航した高速船「ナッチャンRera(レラ)」「ナッチャンWorld(World)」の2隻も10月末で運航を休止する。 会見には古閑社長と関根二夫専務の2人が臨席。古閑社長は「広域観光や地域活性化の一翼を担うという期待に添えない形となってしまった。本当に残念で断腸の思いだ。厳しい環境下で会社を存続させるためには(撤退を)決断するしかなかった」と、時折言葉を詰まらせながら無念さをにじませた。

 事業撤退の理由については燃油価格の高騰で赤字が拡大していることに加え、今年5月以降の利用客の落ち込みが激しいことを挙げ「(青函航路の)燃料代だけで今年は約33億円の赤字が見込まれる。繁忙期の8月の利用客も前年対比3割弱の増加にとどまり、営業的な落ち込みも約10億円に上る」と説明。函館―大間、室蘭―青森はそれぞれ年間約2億円、約6億円の赤字が見込まれるという。

 今後、売却かリースされる見込みの高速船の行方については「これから(関係先と)相談して決めたい」としながら、報道陣から「当初から売却ありきだったのでは」との質問が及ぶと「最初から売るつもりで造った船ではない。青函圏の広域観光化や地域活性化には2隻体制が必要だった」と語気を強めた。

 青函航路は東日本フェリーの系列会社・道南自動車フェリー(同市港町3)が高速でない在来船2隻を引き継ぎ、今後は計4隻体制で運航を続ける。一方、函館―大間と室蘭―青森航路については既に各地元自治体などに支援を要請していることを明らかにし「大間町、青森県には一つの案として各1億円の支援を要請した。その回答を待って航路の存続を決めたい」と述べるにとどまった。

 高速船の就航に合わせて計約38億円かけて新設された青函両ターミナルは現存のまま活用する予定で「過剰投資だったとは思っていない。油の問題がなければもっとお客さんに来てもらえたと思う」と語った。古閑社長は今後も苫小牧と大洗、八戸を結ぶ船舶貸渡事業を柱とした経営の立て直しに向け、社長を続けるという。

 東日本フェリーは、2003年6月に会社更生法を申請した旧東日本フェリーを海運会社のリベラ(現リベラホールディングス、広島県呉市)が05年8月に吸収合併し、06年10月に道内のフェリー事業を分割、事業継承するために新たに設立された。

update 2008/9/9 11:22
提供 - 函館新聞社


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