函教大の小川助教授が自宅にデッサン教室開講

update 2007/2/19 22:55

 道教育大函館校の小川誠助教授(45)=美術教育=はこのほど、函館市西旭岡町3の自宅アトリエを開放し、中学・高校生を対象にしたデッサン教室「アトリエ・ピエタ」を開設した。芸術大や美術大進学を希望する高校生たちに、美術の基礎として重要な「デッサン」を手ほどきする。道南の美術の底上げも視野に入れた活動となりそうだ。

 昨年4月、東京芸大を目指したいという高校生にデッサンの指導をしたのがきっかけ。美大、芸大への受験指導の場が少ないことを知り、「進学希望者の力になれば」と募ったところ、高校生から社会人まで7人が集まった。

 講師は小川助教授と妻芳子さん(31)。ともに東京芸大卒で小川助教授が彫刻、芳子さんが油画を学んだ(誠さんは大学院修了)。その後、美大・芸大の予備校講師を務めるなど受験にも明るい。

 デッサンは受験科目に欠かせない上、絵画のほか、彫刻、建築デザインなど立体的な美術制作に必要不可欠。対象物の正確さはもちろん、作者の美的感覚が養われるなど「一生を通じてするもの」(小川助教授)。教室名の「ピエタ」も、彫刻家ミケランジェロが生涯にわたって4体を制作した彫刻の名にあやかった。

 教室は今、受験シーズンに合わせ「強化週間」中。市内の高校生が週4、5回、デッサンに励んでいる。美術系大学合格を目指す金子ゆりさん(函館北高3年)や芸大志望の若山翔子さん(遺愛高2年)は「絵の描き方が変わった」と手応えを感じている。

 さらに小川助教授は「出張教室」も企画中。各高校の美術室でデッサン教室を開き、制作と講評をする考えだ。

 道教育大の課程再編で、函館校は06年度の新入生から美術科を廃止。若手作家減少の波が迫るのは必至で、小川助教授は「このままでは函館は衰退の一途」と危機感を募らせている。「両教室を通じて中学・高校生の美術教育の理解につながれば」と話している。

 受講生を募集中で「デッサン教室」は毎週土曜(午後1時から同5時)で体験入門も受け付けている。問い合わせや申し込みは小川さんTEL0138・50・3847。

提供 - 函館新聞社



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