函館高専公開講座・蝦夷錦通し交易学ぶ

update 2007/2/18 13:43

 中国製の絹織物でサハリンアイヌが朝貢で清王朝から下賜された蝦夷錦(えぞにしき)について学ぶ函館高専公開講座が17日、函館市末広町の市北方民族資料館で開かれた。同校の中村和之教授(北東アジア史)が講師を務め、市立函館博物館所蔵の蝦夷錦2点を鑑賞し、大規模に行われていたアイヌ民族の交易の一端を学んだ。

 市民ら20人が参加。蝦夷錦は竜や牡丹(ぼたん)の文様があり、朝貢で反物として下賜され、衣服のほか仏壇の内敷などに形を変えて残っている。展示された衣服は18世紀から19世紀にかけての清王朝時代の作で、首の周りを巻く竜の文様が特徴。中村教授は「松前や江差の旧家や寺院に内敷として残っており、当然、函館にも確認されないで眠っている蝦夷錦があるはず」と述べた。

 進貢はサハリン対岸のアムール川河口で行われた。アイヌの朝貢の品はクロテンで、毛皮1枚につき清から蝦夷錦1枚が与えられた。「価値は蝦夷錦の方がずっと高く、政治的にアイヌを支配する中国の朝貢交易。相手が頭を下げることで何倍もの品を与え、供宴でもてなし、力を見せ付けた」と説明した。

 特別に展示された蝦夷錦を間近で見ながら、中村教授が解説。金糸をはじめ彩り豊かに織られた錦に、参加者からはため息が漏れた。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです