ガソリン値下がり 170円台へ

2008/9/2
 石油元売り各社は1日、ガソリンなど石油製品の卸価格を前月比で1リットル当たり5円前後引き下げた。函館市内の給油所では価格競争の激化に伴い、8月の一斉値上げの直後から店頭価格の値崩れが進んでいて、この日は小幅な値下げや価格の据え置きが目立った。

 函館消費者協会(米田イツ会長)が函館、北斗両市内の25店舗を対象に1日実施した9月の石油製品価格調査によると、レギュラーガソリン(1リットル当たり)の平均価格は、フルサービスで前月比10・18円安の177・1円、セルフ式が同11円安の174・4円で5カ月ぶりに前月を下回り、今年5月以降、高騰を続けていたガソリン価格に一定の歯止めが掛かった。

 レギュラーガソリンの最高値は、フルで188円(前月比2円安)、セルフで185円(同)。最安値はフルで171円(同12円安)、セルフで168円(同17円安)だった。前年同月と比べるとフル、セルフとも35円前後高くなっているが、国際的な原油価格が一服したことで店頭価格は軒並み下落した。

 函館市内でフル・セルフサービスの給油所を経営する小売店では盆明けから徐々に値下げし、8月中にセルフは16円引き下げた。「元売りの動きに伴って店頭価格を引き下げる前に、うちだけが高いイメージにならないよう他社に合わせて価格を下げているのが現状。オイルや洗車などガソリン以外で利益を得るしかない」と嘆く。

 市外に本社を置く別の小売店はこの1カ月間で段階的に20円引き下げた。「赤字でも1週間に2回ぐらい値下げしてきた。本来は元売りが下げた時に値上げしないと採算が合わないが、競争が激しくそうもいかない」と困り顔。普段は自転車通勤でしのいでいるという市内港町の男性会社員(53)は「最近は月初めの給油を控えていたが、少し安くなったのでうれしい」と話していた。

 米田会長は「小売店は競合する他社の動向を見ながら価格の様子見の状態が続いている。今後も値下がりする見通しで、家計の負担はやや軽くなるが、高水準に変わりはなく、消費者の買い控えの傾向は依然として続くだろう」と話している。

 一方、1日は一部メーカーによるチーズなどの乳製品、缶ビール類、タイヤなど生活用品の値上げが相次いだ。

提供:函館新聞社

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