田中さん北星小前にヒマワリ植え続け15年

2008/8/29
 函館北星小学校(林潤子校長、児童129人)の正面玄関前の道路沿いに、ことしも大輪のヒマワリ約200本が花開いた。植えたのは市内大縄町に住む田中仁一郎(にいちろう)さん(86)。15年前からボランティアでヒマワリを植え続けている。毎年、2学期が始まるころに花が咲き、子どもたちの登下校をしっかりと見守っている。田中さんは「子どもの喜ぶ顔を見るのが一番うれしい」と目を細めている。

 ヒマワリは「学校の特色となり、楽しめるものを」と考え、田中さんらが植え始めた。5月中旬に種をまき、付近に住む松谷照子さん、瀬川ミヨ子さんと協力しながら、雑草取りや枯れ草処理など維持・管理作業にも精を出している。花が枯れる秋には、欲しがる子どもたちに種も分けている。

 現在、校舎東側の約100bには黄色い花々がずらりと並ぶ。今季は雨天が多かったため、花はしなだれ気味だが、どれも2メートル以上にも伸び、立派に成長している。4年1組の藤龍貴君(10)は「学校に来るたびにきれいだなと思う」、嶋田敬太君(9)も「花を見ると元気になる」と笑顔を見せる。

 昨年12月、田中さんは体調を崩して市内の病院に入院し、「もう止めようか」とも思った。しかし、同校の児童からたくさんの励ましの手紙をもらい、続けることにした。「病室で何度も手紙を読み返して涙が出た」という。退院後、胸いっぱいの感謝の思いも込めて種を植えた。

 田中さんは毎朝午前8時から30分間、同校玄関前で登校する子どもの見守り活動も続けており、児童全員と顔なじみの仲だ。同組の村田芳樹君(9)は「いつもあいさつしてくれてうれしい」と話す。

 田中さんは「少子化の時代、地域と学校、保護者が連携して子どもを育てる必要がある。北星小の児童は純真な子ばかりなので、これからも素直に育ってほしい」と話している。

提供:函館新聞社

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