「皆さんの力で平和築いて」白百合中生徒ら胸に刻む…被爆体験者講演と記念植樹

2008/8/27
 函館市主催の被爆体験者講演会と記念植樹が26日、函館白百合学園中学校(青木タマキ校長)など市内2校で開かれた。13歳の時に広島で被爆した笠岡貞江さん(76)が講話し、戦争や原爆の無残さを伝え、「戦争は人間の心まで変えてしまう。絶対に3発目を落としてはならず、平和な世界を築くため皆さんで努力して」と訴えた。

 笠岡さんは原爆で両親を亡くし、被爆者として就職などで差別を受けた。「死者を砂浜に埋めて焼いた時、多くの人だまを見た。皆さんと同様に、勉強などへの夢や希望を持ちながら死んでいった。その人たちの思いを伝えることが私の仕事」と語った。

 「大やけどを負い、水が欲しいと訴えた人に水をあげることができなく、今でも悔やまれる」「皮膚が垂れ下がった手を胸より上に挙げ、幽霊のように歩く被爆者の姿が目に焼き付いている」などと惨状を伝え、生徒たちは真剣な表情で聞き入っていた。

 市の平和大使として長崎市に派遣された宮川睦さん(3年)も体験を報告し、生徒会副会長の仲摩愛恵さん(2年)が「悲しみを乗り越えて訴え続ける笠岡さんの姿から、私たちに何ができるかを考えていきたい」と謝辞を述べた。

 笠岡さんや生徒代表とツツジを植えた青木校長は「笠岡さんの体験や訴えを生徒は心に刻み、平和づくりに尽くしてほしい」と話していた。

 同講演と植樹は25日から始まり、27日は午前10時40分から湯川中、午後1時半から桔梗中で開かれる。保護者や地域住民も聴講できる。

提供:函館新聞社

ニュース一覧へ戻る



函館ニュースヘッドライン



(C)e-HAKODATE