アイマスク着け写真撮影会

2008/8/25
 視覚以外の感覚で写真撮影を体験するプログラム「こころの写真展ワークショップ」(実行委主催)が24日、函館市湯川町3の市営熱帯植物園で開かれた。参加者はアイマスク姿でボランティアガイドに導かれながら、“心の目”で切り取った風景をカメラに収めた。

 3月に国立函館視力障害センター(湯川町1)を卒業し、現在は筑波大学(茨城県つくば市)に通う全盲の大平啓朗さん(29)が、函館で出会った仲間たちと企画。視覚に頼らず、音や香りなどで被写体を感じてもらい、人間の持つ感覚の素晴らしさに気付いてもらうのが狙いだ。

 この日は市内の学生や会社員ら約10人が参加。アイマスクを着けた参加者は、ガイドのアドバイスを頼りにシャッターチャンスを探り、水の流れや鳥の鳴き声、草花の香りなどに「四感」を働かせながらデジタルカメラで撮影していた。撮影後には30、31日にJR函館駅で開く展示会に向け、写真を選別した。

 参加した市内の女性会社員(25)は「これまで自分がいかに視覚に頼って生きてきたかがよく分かった。見えない苦労を実感することで、今後は目の不自由な方への接し方も変わりそう」と満足げ。大平さんは「視力が無くてもこんな楽しみ方ができることを知ってほしかった」と話していた。

提供:函館新聞社

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