西・弥生小統合校舎、一部外壁残し新築に変更

2008/8/21
 函館西小・弥生小の統合校舎整備問題で、函館市教委は20日夜、弥生小で開いた住民説明会で、弥生小を全面解体し新築する案から、一部外壁を残して補修し新築する変更案を示した。多賀谷智教育長は「子供たちの教育環境を確保し、弥生小の景観を守る案で合意をお願いし、一定の理解を得た」と語った。

 「耐震補強をして歴史的建造物を残すべき」とする市民の声に配慮した形。新案では現弥生小の正面玄関部分の外壁を保存する考えで、市教委は「統合校の歴史や文化を伝えるメモリアルホールの整備も検討する」と述べた。

 7月28日に開いた1回目の説明会で、市民から「検討した整備案や統合校の基本的な考えが見えない」との指摘があり、2回目を開催。市民約70人が参加した。

 校舎を耐震補強し改修する案の工事費は概算で21億7000万円、解体・新築は同11億1000万円、外壁の一部を残し新築する案は同11億4000万円である検討結果を示した。補修・維持を求める声には、市都市建設部が「建物には寿命がある。税金を使って建物を残していくことにはある程度、限界がある」と述べ、理解を求めた。

 市民の意見は賛否両論に分かれ、補修派からは「何としても残すという気迫が感じられない。補修する際のデメリットばかり強調している」などの意見があり、新築を希望する市民は「残す、残さないの問題ではなく、子供たちにいかに良い教育環境を提供するかだ」と強調した。

 市教委は本年度、基本設計を実施。各方面から意見を聞きながら作業を進める。

提供:函館新聞社

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