函館市戦没者追悼式

2008/8/20
 本年度の函館市戦没者追悼式(市主催)が19日、同市若松町の市総合福祉センター多目的ホールで開かれた。遺族会や市議会など関係団体、一般市民ら約300人が参列し、全員が白菊を献花。太平洋戦争の犠牲者を追悼し、平和への誓いを新たにした。

 西尾正範市長が「先の大戦で心ならずも異境の地で命を落とした戦没者の御霊(みたま)に哀悼の誠をささげる。悲惨な戦争を風化させず、次の世代に語り継ぎ、惨禍が二度と起きないよう尽くす」と式辞を述べた。

 続いて高橋はるみ知事(代理)、阿部善一市議会議長、遺族代表の鳴瀬道幸さん(63)が追悼の辞を述べ、鳴瀬さんは戦争遺児の1人として平和への思いを語った。父は1944年に召集され、その後母がみごもっていることが分かった。父は中国・満州の奥地で戦死し、母が懸命に子供を育て上げた。「現在の平和は、戦没者の皆さんの尊い犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない。戦争の無情さ、悲惨さを伝えていくのが私たちの責務」と誓った。

 追悼式は無宗教で行い、現在の形となったのは1995年度から。日露戦争から太平洋戦争までの戦没者は旧市内で4797人、旧4町村で609人の計5406人。市連合遺族会の木村勝英会長(71)が、追悼式開催の謝辞と不戦の誓いを述べた。

提供:函館新聞社

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