道南の雇用 厳しさ浮き彫り…江差信金 道南の中小60社の採用状況調査

2008/8/17
 江差信金(江差町本町、渡辺捷美理事長)は、渡島・桧山管内の中小企業60社を対象に実施した「正規社員の採用状況」に関する調査結果をまとめた。6月末時点の採用実績については新卒・中途とも「していない」「しない方針」が7割前後に上り、景気の低迷や企業収益の悪化による道南の雇用環境の厳しさが浮き彫りとなった。

 新卒者の採用実績については「採用していない」が73%で最も多く、「学歴に関係なく採用した」の13%、「主に中高卒者を採用した」の7%を大きく上回った。採用環境については「今後もしない方針」が70%を占め、「希望した人材ではないが、人員確保の採用ができている」(15%)、「希望した人材を採用できている」(13%)は少数派にとどまった。

 中途採用に関しては「採用していない」が62%でトップ。「経験に関係なく採用した」が20%、「主に経験者を採用した」が18%で、「中小・零細企業に人材を育てる体力や余裕がなく、スキルの高い即戦力を求めている傾向が際立つ」(同信金業務推進部)。今後についても「採用しない方針」が60%を占め、新卒、中途とも採用を手控えている厳しい情勢がうかがえる。

 一方、人出の過不足感については、55%が「適正」と回答。「営業・販売関係で不足」(17%)、「現場作業関係で不足」(15%)などが続き、今後の課題や人材面の対応については「特にない」が3割前後を占めた。同信金は「中小・零細企業は今後の事業計画や人材確保よりも現状をどう乗り越えるかで精いっぱいなのが実態。今後も企業の体力次第で倒産、廃業が出てくる可能性はある」としている。

提供:函館新聞社

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