「知内ねぶた」おあずけ…サマーカーニバル 雨で屋外プログラム中止

2008/8/16
 【知内】知内の夏の一大行事「サマーカーニバルin知内」が14日、町内で開催されたが、あいにくの雨で屋外プログラムは相次いで中止となり、祭りの目玉「知内ねぶた」を楽しみにしていた町民らは落胆を隠せなかった。ねぶたづくりに取り組んだ遠藤芳雄さん(74)は「素晴らしいねぶたができたので、多くの人に見てほしかった。披露は先延ばしになったが、一層ねぶたに愛着がわいてきた」と、早くも一年後の華やかな演出に思いをはせていた。

 ねぶたは町民有志が30年ほど前から制作。夜に映える淡い電飾の行灯で夏祭りを盛り上げようと、知内の伝説や民話を題材にしたものを手掛けてきた。

 ことしのカーニバルはニラやカキなどの特産品をPRする第1回グルメカーニバルも開催。これにちなみ、新作のねぶたは、伝説上の生き物ドラゴンが炎を上げて中華鍋を持つ姿をモチーフにした。

 大きさは例年のほぼ2倍で、高さ3.5メートル、横8メートル、幅は1.2メートルの大作。あけぼの団地近くの倉庫「知内ねぶた伝承館」で6月中旬から本格的に制作を開始した。

 「アイデアを出し合いながら作っていくのが醍醐味(だいごみ)」と、専門的な作図は用意せず、大まかな構想を基に全て手作業で準備した。針金や木材の骨組みは知内消防署の松本光治さん(58)が担当。和紙張りは遠藤さん、色づけは教員のガルシア・ラフェーラさんが責任者となり、実行委メンバーとともに仕事の合間を縫いながら1日約3―4時間掛けて作業を続けてきた。

 松本さんは「会場でのお披露目はできなくて残念だが、また来年がある。楽しみが増える」と笑顔だった。

提供:函館新聞社

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