盆の入り、ペット霊園も墓参り増える

2008/8/14
 お盆の時期に亡くなったペットの墓参りをする飼い主が近年、増えている。盆の入りの13日、函館市内の動物霊園でも、飼い主がペットの墓前に手を合わせる姿が多く見られた。全国動物霊園協会(東京都町田市)によると、「お盆にペットの墓参りをする習慣は全国的に広がっている。時代の流れで、ペットは飼うという概念から『家族の一員』として、一緒に暮らす対象になっているのでは」と分析している。

 同市見晴町の日本動物ペット霊園(松尾道行社長)にはこの日、午前9時ごろから家族連れらが続々と訪れた。同霊園によると、普段の日の10倍ほどの約200人がお参りに来たという。

 3年ほど前、愛犬(雌4歳)を亡くした市内本通の男性(61)は「愛犬の生きた日々を忘れないためにも、命日だけでなく盆の時期にもお参りしている」と話す。7年前に病死した愛犬(雄7歳)の供養に来た札幌市中央区の女性(24)は「当時は家族同様にかわいがっていた。亡くなったときはすごく悲しかった」と振り返る。

 お盆の時期にペットのお参りが増加したことについて、葬儀の準備や接客などを受け持つ同霊園の小杉知史さん(36)は「ほとんどの人が、家族が亡くなったように悲しんでいる。その分しっかり供養したいという気持ちがあるのでは」とする。

 同霊園も飼い主のニーズに応じたサービスを心掛け、葬儀の際の待合室を設け、自動読経機なども設置している。小杉さんは「いかに飼い主の心のケアをするか苦心している」と話す。

 同協会の事務局責任者、福田憲司さん(33)は「飼い主の気持ちを逆なでするような対応で、トラブルが起きるケースもある」とし、「人の葬祭と同じように対応しなければ、業界としても生き残れない時代になるだろう」と指摘している。

提供:函館新聞社

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