朝鮮総連が同胞慰霊祭

update 2008/8/10 14:31

 第2次世界大戦中に朝鮮半島から日本に強制連行され、過酷な労働などが原因で祖国に帰ることなく亡くなった仲間を追悼する、朝鮮総連函館支部(崔英学委員長)主催の「同胞慰霊祭」が9日、函館市船見町の慰霊碑前で行われた。在日朝鮮人や韓国人に加え、日本人関係者も姿を見せ、そろって犠牲者の冥福を祈った。

 戦時中の道南地域では、強制連行された朝鮮人が旧戸井線や松前線の鉄道工事などに従事し、その多くが命を落としたと伝えられている。同支部では無念の思いの仲間の霊を慰めようと、1990年に納骨堂を兼ねた慰霊碑を建設。以後、毎年この時期に慰霊祭を開いている。

 この日は約40人が出席。崔委員長は「日本人の方もたくさん参加してくれたことは大変うれしく思っている。過去の事実に目をそむけることなく、互いに手を取り合って未来志向で進んでいこう」とあいさつ。参加者は一人ずつ焼香しながら慰霊碑に手を合わせた。

 崔委員長は「地元の人たちの中でも慰霊塔の存在はもちろん、朝鮮人が犠牲になった事実を知らない人はまだまだ多い。この慰霊碑が、国籍を超えて多くの人たちが足を運んでくれる場所になってくれることを願いたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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