道議選企画 「激戦」函館市区・下…公明・共産 攻めの姿勢で議席死守

update 2007/3/5 12:58

 「皆さんの力を受け、1期4年で大きな実績を挙げたが、2期目のジンクスという言葉がある。『公明党は大丈夫だ』などの声が聞かれるが、全然大丈夫じゃない。褒め殺しという場面に立たされ、危機感をひしひしと感じる」

 1月24日の横山信一氏の事務所開きで、伊藤安昌後援会長は支持者を前に陣営を引き締めた。創価学会を最大の支持母体に、新人ながら前回トップ当選を果たした自信が、陣営最大の敵だ。

 後援会幹部は「北海道新幹線の着工や水産学博士としてのガゴメ(トロロコンブの仲間)の増養殖事業などの実績が、今ひとつ広く浸透しないのが悩み」とこぼす。

 公明党は定数が5から6となった1975年以降、1度も議席を失ってはいない。しかし前々回は共産党候補が3位、公明党候補が4位。上位当選を逃した悔しさをバネに、前回は党道本部青年局次長だった横山氏が唯一の1万8000票台をたたき出し、意地と底力を見せた。

 政府与党の地方議員として、横山氏の活動範囲は全道各地から東京まで及ぶ。道新幹線着工を機に昨年11月、新幹線建設促進の青函議員連盟を立ち上げるなど活躍の幅を広げているが、専門とする水産関係団体への浸透は、「自民党の佐々木俊雄氏や川尻秀之氏に後れを取っている」(後援会幹部)という。陣営の不安材料は少なくない。

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 共産党現職の前川一夫氏は2月11日の事務所開きで「今度も勝って、初めて日高さんの議席を引き継いだといえる」と、語気を強めた。同日は道知事選候補の宮内聡氏や現職市議らも駆けつけ、必勝を誓った。

 任期半ばで死去した日高令子氏の“弔い選挙”とも言われた昨年1月の道議補選(欠員2)。前川氏は、自民公認2人を含む保守系の3氏を退け当選した。本選挙でも議席の死守は函館のみならず、同党の道内における最重要課題だ。

 共産党現職の前川一夫氏は2月11日の事務所開きで「今度も勝って、初めて日高さんの議席を引き継いだといえる」と、語気を強めた。同日は道知事選候補の宮内聡氏や現職市議らも駆けつけ、必勝を誓った。

 「補選では共産党は基礎票を使い切り、同情票を集めただけ」とささやく声があるのも事実。金盛嘉英事務所長は「補選は32%に満たない投票率。楽観視はしていないが、今回は投票率も当然上がる。上積みがなければおかしい」と語る。後援会はパンフレットの全戸配布を進めており、広く前川氏の人柄や政策を訴える構えだ。

 また、旧戸井町が地盤の原田有康氏が委員長を務める党渡島・檜山地区委員会は、渡島、檜山、北斗市の各選挙区で候補擁立を見送った。選挙区外からの応援を前川氏ひとりに集中させ、道南全体でのバックアップ体制を整える。

 金盛所長は「前川道議は椴法華の港湾整備や戸井の風力発電建設問題など、渡島東部の要望も議会の場で積極的に取り上げてきた」と、各地区の声に耳を傾けてきた実績と4町村地区での浸透を強調する。

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 7日には道議会が閉会し、横山氏、前川氏が地元入りする。ともに旧4町村を含めた遊説や講演会を予定しており、前哨戦は激しさを増す。

 公明、共産ともに落とせない現有議席。「守り」ではなく、どこまでも「攻め」の姿勢で議席死守を図る。

提供 - 函館新聞社



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