道議選企画「激戦」函館市区・中…民主、労組票だけでは足りず

update 2007/3/4 11:56

 民主党は、現職の平出陽子氏、斉藤博氏、高橋亨氏の3議席死守が至上課題。「函館市内はもとより、旧4町村地域での支持拡大が達成される状況になれば、3人完勝の方向性が見えてくるはず」。最大の支持勢力である連合の関係者は言う。3氏とも組織票頼みの選挙から脱却し、新たな票の掘り起こしに奔走する。

 前回選挙では、斉藤氏1万5473票、平出氏1万4753票、市職労出身の新人候補として出馬した阿部義人氏(2003年9月辞職)が1万4068票とバランス良く票が割れ、悲願の3議席獲得を成し遂げた。

 前回同様、連合は平出氏が北教組、斉藤氏はNTT労組、高橋氏は市職労と、出身母体を中心に労組を票割り。支援市議の基礎票も振り分け、組織を引き締める。

 しかし、基礎票となる労組票は、組織率の低下と相まって減少の一途。市議の基礎票もすべてが当てにできるわけでもなく、票は読み切れない。各陣営とも無党派層など票の上積みに躍起となっている。

 ただ、今回は旧4町村地域が新たに選挙区に加わる。水産業を基幹とし、保守・自民系の勢力が強い土地柄で、いかに食い込むか。「今後、票の動向について分析や評価を重ねていかなければならない」(党関係者)と戦略を練る。

 中小企業労組を多く割り当てられた斉藤氏は「支援してくれる企業、団体をどれだけ形成していけるかに懸かっている」(後援会幹部)と気を引き締める。旧4町村地域に活動拠点はなく、選挙区が広がった影響は3人の中で一番大きいとみる。「支持者の協力を得て、取れる票は少しでも確保しなければ」と危機感を募らせる。

 5期目完勝を目指す平出氏は「旧4町村地域に入り込む取っ掛かりをつかむのが正直難しい」(後援会幹部)が、地道に支持を広げる考え。4期16年の実績から基礎票が多いとみられるが、「初当選から4期までの支持票がどこまで今回につながるかは未知数」(同)と手綱を締める。支持層を広げる草の根運動を展開し、ただ一人の女性候補として女性票集めにも力を注ぐ。

 昨年1月の補選で初当選した高橋氏は、初の本選挙。民主党候補が1人だった補選と異なり、今回は身内もライバルとなる。市職労を母体に旧4町村地域でも支所の後ろ盾がある。しかし後援会幹部は「市職労といってもいろいろな党派がいる。振り分けられた支援市議の票も、市議候補4人のうち2人が新人。票固めがうまくいくか…」と不安材料を指摘する。

 「投票率が低いと支えとなる基礎票を含め、浮動票も伸びない」。関係者は口をそろえる。前回は地元選出の鉢呂吉雄衆院議員(現道4区)が道知事選に出馬し、注目を浴びた。投票率(旧函館市内)は前々回(99年)57・0%に対し、前回57・25%とわずかに伸びた。

 今回はそうした要素もなく、関係者はさらなる投票率の低下を危ぐする。平たんでない戦局だが、組織力を生かして票を掘り起こし、3議席死守に全力を挙げる。

提供 - 函館新聞社



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