海自掃海艇が接触事故を海保に通報せず

2007/2/9
 海上自衛隊函館基地隊所属の掃海艇「さくしま」(490トン)が1月、函館港内で起こした函館海洋気象台所属の観測船「高風丸」(487トン)との接触事故を、内部規定に反して海上保安庁に通報していなかったことが8日、分かった。

 同基地隊を統括する大湊地方総監部(青森県むつ市)によると、さくしまは1月6日午後11時15分ごろ、低気圧接近のため沖合に避難しようと、函館市弁天町の函館港西ふ頭を出港。直後に強風にあおられ、船尾に設置されたクレーンが、右隣に停泊していた高風丸の船首の手すりに接触した。手すりは約2メートルにわたり曲がったが、さくしまに目立った損傷はなく、両船ともけが人はなかった。

 海自の内部規定では、自衛隊以外の船との接触は事故として扱い、ただちに海保に通報することが義務付けられている。同基地隊は「通報基準に満たない軽微な損傷」と判断して通報せず、発生から約1カ月後の7日、函館海上保安部に届け出た。海自は民間業者を手配し、1月13日までに高風丸の手すりを補修した。

 同総監部は「当時は妥当な判断だと認識していたが、結果的に誤っていた。今後は同様の接触も艦船事故として扱い、適切な処置をしていきたい」と話している。

提供:函館新聞社

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