農協1億円盗難 元課長きょうにも再逮捕

2007/2/5
 函館市亀田農協本店(函館市昭和4、山岸栄一組合長)で昨年12月、金庫室から現金約1億円が盗まれた事件で、犯行を自供した同農協の元金融部運用課長、今正光容疑者(57)=詐欺容疑で逮捕、送検済み=が、犯行前に同本店内部に潜んでいたことが4日までに、函館中央署の調べで明らかになった。同署は5日、今容疑者を盗みの疑いで再逮捕する方針。

 今容疑者は今年1月、顧客から現金150万円をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された。動機を追及されるなどした結果、1億円の盗難事件についても犯行を自供。供述通り、自宅近くの畑地からは現金の大半が見つかっている。

 同署のこれまでの調べに対し、今容疑者は当初否認していた詐欺容疑を認めたほか、1億円を盗み出した手口も詳細に供述しているという。昨年12月4日夜、残業中の職員に退社したように見せかけ、いったん出店した後、再び通用口から侵入。残っていた職員が帰るまで2階に身を潜めていたという。

 職員が全員いなくなった後、動きだしたところ、警報装置が作動。警備会社からの電話に実在する職員名をかたってその場をしのいだ。警備会社が来店するのを恐れ、トイレの窓から脱出。警備会社が来ないことを確認後、再び忍び込み、用意していた袋などに金を詰め、応接室の窓から運び出したという。

 今容疑者はパチンコなどのギャンブルで、同農協や消費者金融などに4千数百万の借金があったことが分かっている。「月60―70万円に上る借金返済に困っていた。1億円の一部は顧客への弁済や、借金の返済に充てた」などと動機を供述しているという。

 同署は再逮捕した後、犯行状況や動機をさらに追及し、事件の全容解明を進める。

提供:函館新聞社

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