下肢静脈瘤 レーザー治療…共愛会病院

update 2007/2/3 09:40

 函館共愛会共愛会病院(函館市中島町7、福島安義院長)は、足の静脈血管が浮き出てむくみやはれなどを引き起こす「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」をレーザー光線で治療する最新機器を道南地域で初めて導入した。これまで皮膚を切開し、血管を直接引き抜く手術が必要だった症例も、静脈に挿入したファイバーを通じてレーザーを照射することにより、痛みや出血をほとんど伴わず短時間での治療が可能で、注目を浴びている。

 下肢静脈瘤とは足から心臓に送られる血液が、血管内の弁の破損により逆流し、足の静脈内に停滞し浮き出る病状を言う。見た目の悪さだけではなく、悪化した場合は皮膚炎を起こしたり潰瘍(かいよう)の原因にもなる。

 現在主流の治療法は、ストリッピング手術といわれ、逆流の起こっている血管を直接引き抜く手法。一度の手術で確実に完治し、危険性も少ないが、体にメスを入れなければならないため手術に踏み切れない患者も多い。

 今回導入されたレーザー機器は、道内ではこれまで札幌に2台あっただけ。逆流の起こっている血管内に直接ファイバーを挿入し、レーザーを照射して血管を収縮させて血管をふさぎ、血流を遮断する。局部麻酔を含めた手術時間は30分程度。傷跡として残るのはファイバーを挿入するためのごくわずかな部分で、治療後の痛みはほとんどなく、日帰り手術が可能。また、超音波を使って患部を確認しながらの手術のため安全性にも優れている。

 ただ、現時点ではレーザーによる下肢静脈瘤手術に健康保険が適用されないため約17万円ほどの治療費が必要となる。しかし、25万―30万円程度費用がかかる他地域に比べて割安な上、術後の入院が必要なく仕事にも即復帰できるなどメリットは大きい。

 同病院の折原暁外科部長は「下肢静脈瘤は、見栄えを気にしなければ痛みなども少ないのでそのまま放置してしまう患者も多い。しかし、症状が重くなってからでは手術は難しくなるので、早いうちに医師と相談してほしい。レーザー治療は痛みがほとんどなく、皮下出血や色素沈着、神経障害などの後遺症も心配ない」と話している。

提供 - 函館新聞社



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